『毎日ムック・できるヤツの生き方』毎日新聞社 ’03年11月27日発売

2003.11.27

パワー全開
女性起業家の成功の秘訣
ビジネスチャンスはいつもそこにある

 

 

仕事を休むのがもったいないくらい、今は仕事が楽しくて仕方ないですね

やりたいことを見つけるためにさまざまな仕事にチャレンジ

 

 

 

「私、「30歳になったら社長になっている」と決めていたんです。自分の経験を生かせる仕事で会社をつくろう、そう思っていました」

という井垣さんは、女性のためのキャリアアップ講座を手掛けるシェリロゼを立ち上げた。立ち居振る舞い、メイクアップ、セルフ・マネージメントといった総合講座をはじめ、アナウンサーや客室乗務員などの就職対策特別講座などを運営する会社を経営する。

 

「そもそも私自身、大学時代にアナウンサーを目指していたんです。まずアナウンススクールに通ったのですが、そこで何千人といるアナウンサー志望者の中から選ばれるには、ルックスや立ち居振る舞い、もちろん適性や能力など、あらゆる要素が必要ということがわかったんです。

 

自分に似合う色を学ぼうとカラーコーディネーターのスクールに通い、歩き方やメイクを学ぶためにモデル事務所に所属してレッスンを受けました。それらにかけた費用がトータルで100万円くらいかな(笑)。「私はカラーやモデルのプロになりたいわけではないのに、なぜこんなに高くついてしまうの」とか「いろいろなことが一気に勉強できればいいのに」とずっと思っていたんです」

 

その後、念願かなって大学在学中からフリーアナウンサーの仕事をスタート。さらに実家の学習塾の手伝いやイベント会社、エステサロンの従業員教育などを経験した。

「起業しようと思っていたものの、どんなビジネスを立ち上げたらいいか決めていなかったので、会社を作ったときに役立ちそうなことならいろいろやりました」

 

そんな中で、仕事を通してメイクのプロや元航空会社のチーフパーサーという人たちに出会うことになる。そこで「こういうプロの人たちに講師になって教えてもらえば」と思いつき、会社を興す。

 

“まずは起業”という意識が強かったのは、何もないところから3000人規模の学習塾をつくり上げた実業家の父親の影響によるものだ。

「起業するのが当たり前、社長になれば自分が本当にやりたいことができるという環境の中で育ちました。スクール業界では、”授業料が先払いなので開業資金はそれほど必要ない。大切なのは、生徒のことを真剣に考えてくれる良い講師を集めること”ということを父から学びました」

 

女性にはもっと活躍してほしい。みんないろんな才能を持っているんだから

 

起業をするには、本当にやりたいことを見つけられるかどうかが重要だ。

 

「私の場合は、道を歩いていると女の子ばかりに目がいって「あの女の子、メイクを変えればかわいいのに」とか「この子は姿勢をよくすればもっと素敵なのに」と思ってしまう。

 

あるとき、私がやりたいのは女性をきれいにしてあげることなんだと気づいたんです。内面も、そしてもちろん外見も含めて美しく…というのは、今までの私がやってきたことだったし、ずっと興味を持ち続けていることでした。今の仕事は、そのすべてを生かせるので、仕事が楽しくて仕方ないですね。仕事を休むのがもったいないくらい(笑)。好きなことだからこそ、つらいことがあっても「勉強になった」と思えるんです」

 

現在の受講者は18歳から35歳で、20代がメイン。最初はアナウンサーや客室乗務員志望の人が多かったのだが、最近は自分磨きのために受講する30歳前後の女性たちが増えてきたという。

 

「日本社会はまだまだ男性優位ですよね。女性の能力や才能が認められていない場面が多いと思うんですよ。だから自分を磨くことによって自信をつけて、社会で活躍するきっかけにしてほしい。才能を眠らせている女性はとても多いし、「本当の私はこの程度じゃないはず」と気づきはじめている女性も増えている」

 

次なる35歳の目標は、講座を全国展開すること。

 

「達成できそうです。というより、達成すると自分で勝手に決めています。”決めている”というのが大切だと思うんです」

 

~「毎日ムック・できるヤツの生き方」毎日新聞社 ’03年11月27日発売~